最近、「入管法改正案を強行採決」というニュースを目にしましたが、この改正案の問題点についてはあまり報道されなかったように感じます。
在留資格はない外国人を施設に収容したり、強制送還することについては、何となくイメージできる人も多いかもしれませんが、具体的な問題点については理解が広まっていないようです。
一番問題になっているのは、「難民認定三回目以降の申請者は強制送還を可能にする」ことです。これが人の命を奪うことなるかも知れないのです。
私自身も詳しくは理解していなかったので、調べてみましたのでご紹介します。
入管法改正案の問題点を考える
難民認定率が低い日本
2020年の例
ドイツ 41.7 %(63456人)
カナダ 55.%
フランス 14.6%
アメリカ 25.7%
イギリス 47.6%
日本 1.1% (47人)
日本は難民条約に批准しているにもかかわらず、難民認定率が極端に低いと指摘されています。難民認定までには、通常3年以上の長い期間がかかることもあり、仕事を失い生活が安定しません。
ニュースで報じられたところによると、難民審査参与員の一人が「入管として見落としている可能性のある難民を見つけ出し、公正に認定したいと思っているが、ほとんど見つけることができない」と発言しました。また、難民審査参与員は現在111人いるが、全体の約4分の1の案件(1231件)を1人で担当していると報じられています。このような割り振りにより、公正性に欠ける状況が生じているのではないかと言われています。例えば積極的に認定する人には配分を少なくするなど考えられます。
難民認定3回目以降の申請者は強制送還可能となる
ミャンマーで民主化運動に参加した男性が、現在3回目の難民申請中です。もし彼が強制送還された場合、命の危険があります。彼はこの国で助けを求めているのに、なぜ難民申請が得られないのか疑問です。
下記の動画もご覧ください
- 「入管法改正案」では、監理措置が盛り込まれます。支援団体の監督下で生活させる制度。報告する義務があり、怠ると罰則がある。
- 改正案に賛成している維新の会の梅村みずほ参議院議員の発言が問題となっています。(動画冒頭、発言のあと維新の議員達は拍手してます。)
チリで迫害を受けた後、27年前に来日し、料理人として働いていました。しかし、保証人がいなくなり在留資格を失ってしまいました。難民申請は2回却下され、現在は仮放免中であり、仕事にも就くことができません。なぜ難民申請が受け入れられないのか、理解できません。
入管法改正案には反対です。
入管法改正案は、
- 「在留資格のない外国人が日本にとどまり続けることを防ぐための措置」
- 「入管施設での長期収容の解消を目指し、監理人の監督の下であれば送還されるまで施設の外で生活ができる管理措置制度が新たに創設」
1については、強制送還されたら、命を失う可能性のある人々がいます。(偽装な人もいると思いますよ。それでも本当の難民が助けれるようにしなければ)
2については、90%が監理人に「なれない、なりたくない」と言っているので意味がない。「弁護士の場合だと守秘義務があり、入管への報告は利益相反」「監視の役割を政府が市民に押しつけている」
入管の権限が強すぎる問題や、無期限の収容期間、収容所の環境や人権に関する問題などもありますし、まだまだ改善が必要だと思います。法律の施行までには約1年の期間があるようですので、その間に問題点を解決する努力をするべきです。
日本では、収容期間に明確な上限が設定されていないことが国連人種差別撤廃委員会などから国際人権法違反と指摘されています。
増税やマイナンバーカードとは異なり、直接的な影響は身近ではありませんが、正当でないことが許容されると、(私的にはそう思います)将来的には自分自身にも影響を及ぼす可能性があるのではないでしょうか?
自分なりに、調べてまとめたみたのですが、入管法改正案の問題点についてわかりましたかね?下記の動画も冒頭4分だけでみてもわかりやすいですよ。